昔の味たまごの特製肥料

鶏糞堆肥にこだわる

養鶏業がまだまだ発展途上だった頃は、糞による汚染でサルモネラや大腸菌の問題も多く、また鶏の病気が蔓延することもあったそうです。
昔のたまごは鶏糞を適切に処理しています。鶏糞を適切に処理するということは、農場内を清潔に保ち鶏の健康管理になるばかりか、本来ならば産業廃棄物である鶏糞が土壌改良材になるという利点があります。

ここでは鶏舎の風景と共に鶏糞が堆肥になるまでをご紹介します。

鶏舎内部

鶏舎内部

当農場では、最大約三万羽を飼育する施設が整っています。
全ての面は壁がなくカーテンになっており、温度管理に優れた仕組みになってます。
夏は外気温より三度ほど涼しく、冬は三度ほど暖かくでき、通年鶏にとって過ごしやすい環境を作っています。

毎日迅速確実に集卵できるように、たまごはベルトコンベアーで集卵所へ運ばれ選別、検卵を行います。

鶏舎内部2

鶏舎内部2

当農場では鶏舎を四段にしてあり、鶏舎の裏側へ風が良く通る工夫あります。鶏舎の裏側には鶏糞が溜まるようになっており、機械で除糞を行います。
通常、鶏糞は二、三日は放って置きますが、当社では一日二回の除糞を行っています。送風機は全部で二十四機設置してあります。

また屋根の高さが十メートル以上あり、内部に熱がこもりづらく、暑さに弱い鶏も夏バテしません。
暑い季節でも鶏が過剰に水を飲まなくなるので卵白の緩みがなくなり、涼しい季節同様しっかりとした卵白のたまごを産みます。
冬はカーテンを閉め、外気を遮断することにより、鶏舎内部は暖かくなります。

鶏舎裏

鶏舎裏

鶏舎の裏側です。この中も風が通ります。
ここに鶏が糞を落とし、溜まった糞を除糞機が集めます。手前に写っている機械が鉄製の板を動かし溝の中の鶏糞をかき集めます。
糞は手前の溝に落とされます。

一日二回の除糞により、鶏は糞に由来するアンモニアなどの物質を呼吸することがありません。これもたまごの品質を保つ上で重要なのです。
溝の中には、スクリューが配置してありそれが回転し、糞を撹拌しながら鶏舎の外へ向かって運びます。

おがくずと混ぜる

おがくずと混ぜる

糞が練られて粘土状になっています。
これが土のような良質の堆肥を作る第一歩です。

スクリューで運ばれた鶏糞は、別のスクリューに乗り代わり、鶏舎の外に運び出され、おがくずと混ぜられます。
腐葉土に近い堆肥にするためです。
粘土状だった鶏糞はおがくずと混ざり合い、さらさらにしたものになります。

おがくずは提携の材木屋さんから定期的に購入しています。
一週間で二トン車二台分ほど消費します。

攪拌機でかきまぜて醗酵させる。

攪拌機でかきまぜて醗酵させる。

鶏糞をショベルローダー(ショベルカー)で攪拌層へ運びます。

攪拌層に一時保管される鶏糞は、二週間ほどでいっぱいになってしまいます。実は、三万羽飼育時には、一日1.5トン近くの鶏糞がでるのです。
たまごの生産量よりも鶏糞の方が多いのです。

一日一回攪拌機がマスの中を動き、鶏糞をかき混ぜます。鶏糞は攪拌され、細かく砕かれ、空気を含ませることにより効率良く醗酵します。

鶏糞の醗酵には大量の水と空気が必要です。
鶏糞の乾燥具合を気にかけ、水分が足りなければ消火用ホースで水をまきます。
またマスの中には空気を送るためのパイプが敷いてあり、常に空気を送る仕組みになっています。こうして鶏糞は少しずつ、堆肥に変化していきます。

堆肥の熟成

堆肥の熟成

一週間ほどすると、ゆでたまごが作れるほどの発酵熱がでます。
発熱で害虫などを死滅させることが出来るため、発酵鶏糞は虫の発生が少なくて済みます。
そのままマスの中で二週間ほど発酵させると、量が四分の一近く減ります。

その具合を見て、発酵の進み具合を判断し、発酵した堆肥を大ますに移します。
その後さらに時間をかけて熟成させます。
一般の方への販売はここまでの工程の堆肥を提供させていただいています。

企業向けの製品はその後さらにパーライトと言う土壌改良材を混ぜ、攪拌、散水、発酵を重ねて袋詰めし出荷いたします。
良質な土壌改良材として期待されています。

昔の味たまご農場の堆肥は、パグマで堆肥を熱処理した灰(パグマで処理した灰には、燐酸、加里が残ります)を戻しているので、燐酸加里が高めの堆肥になっています。
肥料分が高いため、化学肥料を追加する時は控えめにした方が良いようです。
酸素消費量は低いので、土の中の酸素を消費する心配はありませんが発芽率が若干低めなので、土に入れてから少し時間を置いた方が良いようです。
堆肥の成分分析結果


昔の味たまごの鶏からつくられた特製肥料の力

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